顎関節症に関する症例ブログですが、
今回はご本人の出産状況に大きく関係する症例です。
逆子でお生まれになった方の場合、独特の歪みが生じます。
それが原因で首や顎にどのような影響を与えていたのでしょうか?
首がつっぱっていて、左の首のあたりに筋がピーンとはりのある訴えで来所のAさん、
20代女性。顎関節症もあり音がします。彼女は出産時に逆子で生まれており、
側頭骨や腸骨に大きなねじれが見受けられます。
打撲歴としては、小学生の頃に滑り台のような遊具から落下し、お尻を強打。
小3の時に、自転車に車にぶつかり特に怪我はなかったようですが大きな衝撃をうけています。
実は腰痛もあるようで、首と腰痛を改善をさせることを優先に施術に入っていきました。
顎は側頭骨にぶらさがるように存在しますので、施術の優先順位の流れで進めていきます。
身体の歪みを読んでいきますと、逆子でお生まれになっている影響だと考えられますが、
側頭骨と骨盤に大きなねじれがおきています。これは首に緊張を与える大きな原因と考えられます。
顎もそれに影響を受けてるようです。
逆子での出産の場合、通常の自然分娩と違い、お母さんの産道を通るときに足から、
骨盤や肋骨、肩、側頭骨も締め上げられるような状態で回転して生まれてきますので、
それに応じた歪みがおきてしまうことが多いようです。
Aさんの肩はいかり肩と呼ばれるような形状になっているのでそれも影響していると考えられます。
プラスに考えればいかり肩は遺伝ではないということも言えると考えます。
お尻を打っている事を踏まえ、腸骨の歪みから戻していきましたが、
施術の途中に首筋のつっぱりを頻繁に確認しながら進めていきました。
多少弛緩していくのが確認できましたが、まだ十分とは言えない程度でしたので、
側頭骨の施術に移行しました。
右の側頭骨が、先ほどの腸骨と比例するように右後方かつ下方へ、
そして内側にのりあげてしまっている状態。後頭骨も上部と下部でねじれがおこっています。
これらから考えて顎の違和感と首に緊張がある今回の訴えですが、
原因は顎、首自体にではなく、体幹のバランスを大きく左右する頭部と骨盤の
ねじれがあり、結果として顎に歪みをもたらし、首に強い緊張をもたらしているという論理を導きだし、
施術を展開していきました。
右の側頭骨は傾斜が強いので、すべらないように緩衝材としてタオルを用いHSTi一号機でうつぶせの
状態で施術。この際にも首の弛緩の有無を確認していきながら進めていきました。
施術後、「首のつっぱりが楽になっている」というコメントを頂き、
体勢を変えて仰向けの姿勢へ。
そこで、顎を開けるとカクカクと音が鳴る事を踏まえ、
側頭骨に密接に関係するの顎の付け根の部分の施術を行いました。
その後に確認しましたところあごの音が消えて、首の緊張も緩み喜ばしい結果がでました。
最後には、肋骨の中でも特に大きな歪みのあった7番の骨を調整し、この日は終了。
側頭骨と骨盤と首の関係、そして額関節の異常にまで及ぶ今回の症状ですが、
身体は分化してはいけないというHSTiの哲学に重きを置いてきたから出せた結果だと思います。
読んで頂きありがとうございました。
沖縄県浦添市 HSTI骨格調整シャトル・ケア 當山 貴史