かなりタフなお仕事をされているKさん。打撲も日常茶飯事です。この日は機械で手首を負傷してしまい、腱鞘炎になってしまいました。手首の痛みがつらく、打撲したらすぐに伺うように以前伝えてあったこともあり、怪我をしてすぐにいらっしゃいました。
「腱鞘炎なんですかね?仕事中にドリルをよく使うのですが、この間ドリルが上手く咬まず、機械にまけてそのまま腕を捻ってしまいました。さらに、機械が落ちてきて、右の頬をうってしまいました!頬は数日で痛みがひいたのですが、手首がまだ痛いです。」
「それはかなり痛そうですね...。確認してもいいですか?」
頬の打った箇所を触ると痕がくっきりと確認できます。上から打ったように頬の骨が下にずれています。ピンポイントで打ったのか、側頭骨全体が下にずれているだけでなく、頬骨が凹んでいます。
「この角度(斜め右上から)から、ここ(右の頬骨を指して)にぶつかりましたか?」
「そうです!跡って残るものなのですか?」
「残りますよ~!昔の打撲もちゃんと骨は記憶しています。今度は腕を確認してもいいですか?」
上腕骨がうまく肩に納まっておらず、そのまま前腕にかけて左回りに捻じれています。肘の部分でも、上腕骨と前腕の尺骨でうまくかみあっていません。手の指にも歪みがあり、手の付け根の骨も大きく歪んでいます。ジェスチャーしながら
「腕がこんな風(反時計回りに捻りながら肘外側に、肩を内側にさげながら)になっているのですが、どういう風に捻りましたか?」
と伺うと、
「高い位置(肩ぐらいの高さ)にドリルを使おうとしたので、肘が上がっている状態のまま回転してもっていかれました。そのまま機械が落ちてきたのです。」
「指はどの様な状態でした?」
「(グーの状態から、人指し指と親指だけ伸ばして、人指し指はトリガーに指をかけ、親指は機械を後ろ側から固定するように)こうです。このまま、さっきみたいな感じで捻りました。」
「なるほど、だから手の先まで歪んでいるのですね!」
腕と肋骨の2番はとっても深い関係があります。肩をねじって腕をもっていかれた時に一緒に肋骨の2番も歪めてしまっていました。腱鞘炎、手首の痛みは手根骨、腕の捻じれが原因だと打撲した事と骨格を確認した事ではっきりしました。最初は頬の骨からの調整。大きく側頭骨を戻した後に、細かなところを調整。肋骨の2番の調整と、右上腕骨の捻じれている歪みを同時にセットします。親指、人差し指、手根骨の調整までして終了。
「かなり痛みがとれました!先程まで手をつくと手首の痛みがきつかったのですが、今は痛くないです!さっきまで出ていた手首の骨も、出てないですね!」
「打撲して直ぐなら戻るのが早いですよ!」
打撲を日常茶飯事にする仕事をなされています。怪我をしてからすぐに調整をしたほうが早く戻ることから、<可能性のある(よくやる)打撲>の対処方法を話し、実践していただいたほうが痛みも出にくいと感じ話しました。
「なるほど~。今度からやってみます。」
「大きな歪みを直ぐにとっていただく事で、痛みや炎症が抑えられ、改善もはやいですよ!」
手首の痛み、腱鞘炎もとれた事で仕事がはかどっていただければ幸いです。
(株)HSTI東京 骨格調整所 櫻澤 健二