全身ピリピリひりひりで痛み止めも効かないという原因不明の難病?いいえ、原因は自転車で転んだ時に出来た骨格の歪みでした。

60代女性、Sさん。娘さんに付き添われてAZU骨格調整所にお越しになりました。

初回来所時。目はうつろで顔色が悪く、悪寒で身体は震え、呼吸も荒い。左半身には激痛がはしり今にも救急車で運ばれてもおかしくない状態でした。

どのような姿勢でも辛そうなので、急いで骨格の歪みをよみとります。全身の骨格の歪みはとても大きく、肋骨もあちこちの方向にとりとめもなく歪んでいました。これだけの歪みがあったら、身体は緊急事態を起こしているはず。

あちこちに歪んでいた骨ですが、立位・座位・伏臥位・揺らしと骨の歪みを読み進めていくと、きちんと法則通りに骨格の歪みを確認する事ができました。娘さんも心配そうに見守る中、すぐに施術に入ります。


Sさんの場合は4−7ラインにて全身の骨が歪んでバランスをとっている状態でした。まずは頭部(顔面骨4番)から施術スタート。

お顔に器械をセットしてしばらくすると「身体が少しあたたかくなった」とおっしゃいましたが、まだまだ痛みもたくさんあります。4−7ラインの兄弟骨である腸骨(骨盤)や側頭骨、仙骨4番、頚椎7番、頚椎4番と施術を進めます。

「激痛で寝てられない...」「もう手遅れかもしれない...こんなになっちゃって...」「原因不明だから...」と施術中も朦朧とした意識の中で繰り返すSさん。

途中途中で休憩を入れながら「大丈夫ですよ。骨格がこれだけ歪んでいたら相当身体はキツいはず。ひとつずつ歪みをとっていけば楽になりますよ。」と励ましながら、施術を進めました。


最初にSさんのお身体を拝見したときから気になっていた事がありました。

左肩が内側に入りこみ、腰周りも右にずれています。左側から何か強い衝撃が入ったはず。途中でお話を伺うと、自転車で転倒したこと、車の追突事故を思い出してくださいました。

自転車で転倒した時にできたと思われる左腕手首や上腕骨の歪みを取り除き、左肩が入り込んでいるのを引っ張り出します。最後に再度、頭部の関連する骨を調整して初回終了。

「相当歪みも大きいし症状の改善にはそれなりの回数がかかると思うけれど、がんばって通ってほしい」とお伝えしました。

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2回目。ご本人の自覚症状としては変化がないものの、息づかいや呼吸は初回よりも落ちつき、震えもおさまっている。この日は3−8ラインにて施術。3−8ラインでは棚ずれや変形など複雑な歪みも取り除いていきました。施術終了後には目力がもどり、声に張りがでてたくさん会話ができるようになりました。

3回目。「歩いていたら腰痛が出た、左肩と両腕が痛い」とのこと。肩関節や股関節を含む骨格の仲間、2−6ラインにて施術。

4回目。「激痛はほとんどなくなっているものの、左肩に違和感残る」。前回の施術の流れで2−6ラインにて施術。頭頂骨の細かい歪みや顔面骨6番にあたる上あごの調整。

5回目。「激痛はなかったが咳がよく出て苦しかった」。3−8ラインにて施術。喘息とも関係の深い骨格のライン。

6回目。「寝ている時に痛みあり、昨夜頭がもやーっと痛く、身体が熱くなり横になった。咳変わらず、お尻に痛みあり」とのこと。前回の施術の流れで3−8ラインにて施術。


このように「喘息の咳がつらかった」「肩が痛くなった」「頭がぼーっとした」「熱っぽかった」...など途中途中で症状もありましたが、施術回数を重ねるにつれ、激痛の回数が減り、身体の震えもなくなり、会話が増え、顔色も良くなりお顔の表情までもどんどん変わっていきました。

ですが、最後まで残ったつらい症状が、「全身がピリピリヒリヒリする」というもの。

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7回目。「腰痛の後に全身がピリピリひりひりという症状が残る」と言います。

「息子がネットで調べてくれたんだけど『全身ピリピリひりひりで痛み止めも効かないという原因不明の難病があるらしい。お母さん、それじゃないの?』っていうんです...。先生、私その原因不明の病気みたいです。だからなおらないと思う。」

「Sさん、激痛だって原因不明だと思っていたけれど、骨の歪みを取ったら楽になったでしょう?ピリピリヒリヒリだって、骨の歪みをとっていったら十分に改善する可能性があるんだから!がんばりましょうね!」

「...」

「大丈夫!どういう時が一番ピリピリヒリヒリが辛いです?」

「車に乗った後。あれが一番キツい。」

「座った後ね。それ大きなヒントです。お尻が圧迫されると症状が出るってことは、お尻周りの骨に何か原因の歪みがありそう。お尻周りの骨、もう一度良く見ていきますから!」


骨格の歪みをチェックしたところ、今まで左右で高さの違った骨盤は、高さが揃っていました。これはSさんにとって大きな改善です。

ですが、高さが揃った結果、今まで身体の奥に追いやられていた身体の捻れの歪みが出てきていました。腰回りの骨、仙骨や坐骨が右横にずれています。自転車で左に倒れて打ち付けた影響がまだまだ骨に残っているのです。

さらによく見ていくと腰回りだけでなく、左腕も左の脇腹も左顎にも歪みがありました。左上腕骨は内側にねじれ、左腕があたったであろう左脇の肋骨にも歪みがありました。腰も打ったのでしょう。腰が右横にずれています。左顎も打っていると予想します。自転車で左に倒れたときにこんなにも沢山の場所をぶつけていたんですね。それらの歪みを一つずつ取り除いて行きました。

また右側の骨盤が上にあがっていて、右大腿骨も内側にねじれていたので、それもとりました。特に腰回りの施術は気持ちがよかったそう。


身体のねじれも苦しい症状をだします。特に骨盤や坐骨も大きく捩じれていたので、神経を圧迫して今はピリピリひりひりがでると予想。骨盤のねじれが大きいから、特に座った後の痛みが辛いはず。骨格の歪みがとれていけば、楽になれるとお伝えしました。

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その翌週、8回目。「車に乗った後もピリピリヒリヒリが大丈夫だった!」というSさん。

この日は座骨神経痛と関係する9番と関係する頭蓋骨の細かい調整をメインとして、その後、肋骨や座骨などの9番と関係する箇所を中心に施術しました。そして、肩甲骨と鎖骨、顎もよりバランスがよくなるよう調整しています。

以前は左顎の膨らみが気になっていましたが、お顔がだいぶシンメトリーに近づき、目もぱっちり開いて、顎もシンメトリーに近づいて美人さんになっています。シンメトリーに近づいている=歪みがなくなってきている、という事です。

また、顎のゆがみと精神的なものはとても関係が深いので、顎のゆがみが小さくなっている事もいい兆候です。
心配性のSさんでしたが、この頃から前向きな言葉も多く出るようになりました。

「最近はだいぶ元気になってきたからお料理作ったり身体動かしたりがんばっているの。でも買い物とか遊びにいくのは出先で何かあったら怖いからまだ行けないけど。倒れたりしたら皆に迷惑かけるでしょ...。」

「そろそろ遊びに行っても大丈夫だと思うけど...。Sさん、元気なときはどこに遊びにいくんですか?」

「歌を歌うのと踊るのが好き!前はよくいってたけど、行って具合悪くなった事があって。ほら迷惑かけちゃうから。だからそれが怖くてしばらく行ってない。」

「Sさん、だいぶ元気になってきているし、行けそうだったら遊びに行ってみてくださいね!」

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9回目来所時。

「先生ー!昨日遊びにいってきた!痛くならなかった!」

「やったーー!よかったー!本当によかった。痛くならなかった?」

「そうなの!遊びにいけたしダンスも出来た。踊っても痛みが出ずに踊れたし、ビックリするほど嘘みたく元気になっちゃった。イスに座っても大丈夫だったし、歌も歌えてさー。久しぶりに仲間にも会って嬉しかったし楽しかったわよ♪」

「本当によかったーー!(涙)」

「うん、最近、元気になったらご飯がおいしくていっぱい食べちゃってさー。少し太っちゃった♪」

「ほんとうね。ふっくらしたし顔色もいいですね。」

さて、施術に入ります。骨格の歪みをチェックしても、ものすごく大きな歪みというものは見受けられません。細かくみていくと、小さな歪みはありましたので、そちらを調整。

骨格のラインで言うと3−8ラインという、全身の3番8番と関係する骨です。目、鼻、肝臓、喘息等とも関係の深い骨になります。頭部、肋骨、腰椎、腰回り、頚椎と整えています。

以前は器械をセットして「大丈夫ですか?」と伺っても「わからない」という返答が多かったSさんですが、この頃には「大丈夫」とか「それは痛いです」という返答が増えてきました。これは、Sさんがご自分の身体と対話上手になってきている事を表しています。ご自分の身体の声を聞けると言うのはとても素晴らしい事です。

まだ細かい歪みはありますが、日々使う身体ですので100%歪みのない人はいません。Sさんの状態はだいぶいいです。欲を言えば、腰回り(骨盤)のねじれ(右側が前側上方に、左側が後側下方に)が若干残っているのでこれも徐々に取っていきたいところ。

でもここまでくれば、施術の間隔を空けても大丈夫そうです。

「Sさん、今までは頑張って一週間に1回きてもらっていたけれど、そろそろ様子をみて体調がよかったら、少しずつ施術にくる間隔をあけていいですよ。」

「うん。だいぶ痛みもないし、次は1週間後でなくても大丈夫そうな気がする。」

「痛みが大丈夫でしたら2週間後でもいいし、心配だったら10日に1回でもいいし、ご自分の身体の声を聞きながら次回の日程を決めていただいて大丈夫ですよ」

「痛みが出たら私がなおすから安心してどんどん遊びにいってくださいね!とにかく楽しんで!」

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〜それから3週間。Sさんから音沙汰がありません。

「元気なんだろうな、でも、どうされているかな?」...と娘さんに連絡をとったところ、「先月の終わりに自宅に戻り、カラオケに行ったり買い物に行ったりとそれなりに楽しく暮らしているようです。痛みのことは聞いていませんが、少しはあるかと思いますが元気です。

3週間前に行ったきりで連絡していないので母も気にしていました。今月一度診ていただきその後は当分様子みていこうと思っています。」というお返事。

そしてメールから1週間後、10回目の施術。Sさんはとってもおしゃれな服装でとびきりの笑顔でいらっしゃいました。

「すみません、ご無沙汰しちゃって。今日も遊びに行ってきて、歌って踊っておしゃべりしてきてさー。とっても調子いいの!」

「良かったですね!ご自宅にも戻られたんですね。本当にとってもお元気そう!もうどこも痛くないですか?」

「腰がたまにほんのちょっと痛い位だけど、すぐになおっちゃう。頭も首も肩も楽。喘息も逆流性食道炎もだいぶ軽くなって楽。最初はこんなんで効くのかしら...って先生の事疑っちゃったけど(笑)。だって良くなるなんて思わないじゃない?悪いけど疑ったわよ!でも、本当に元気になっちゃったからびっくりしてさー。友達にも骨をなおしてもらって元気になったって話してるのよ。」

「あはは!疑いますよね。でも骨の影響ってすごいでしょう?Sさん、最初いらした時骨があっちこっちに歪んでいたから相当辛かったはずですよ。今はとってもきれいに整ったから!よかったですね!」

「今思えば、半年くらい前から調子悪かったんだね。あまりの痛さで寝られないもんだから夜中息子に電話して迎えにきてもらって、緊急で病院に駆け込んだ事が何回もあった。点滴されて、でも良くならないの繰り返し。娘に『お母さんこのままじゃ死んじゃう!一人にしておけない』って言われて娘の家に連れて行かれてさー。」

「本当に大変でしたね。」

「整形、内科、大きな病院、あちこち行ってレントゲンとかエコーとかあれこれ検査されたけど「大丈夫です」っていわれて家に帰されてさー。こっちは激痛で大丈夫じゃないのに。原因不明のあちこち痛くなる病気だと思ったけど、原因が骨の歪みだったなんてね!」


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