高校球児キャッチャーの肘の痛み スライディングキャッチで肘を強打

夏の高校野球、全国で予選が繰り広げられ、甲子園をめざして頑張る球児たちの中でも当店に来られるお客様がいらっしゃいます。今日はTくん(16歳男子)のお話ですが、一年生ながら二年生チームで正捕手として活躍していまして、練習中にキャッチャーフライを捕球するため、落下地点にスライディングし、その際に左肘を強打したそうです。それから左の肘の痛み、左肩の痛みが出始めています。
常日頃から先輩ピッチャーの投げる速球をキャッチャーとして受けるTくんですから、左の手の平への衝撃が予想されます。そしてキャッチャーとして姿勢や捕球する時の姿勢をイメージすると、左手首や橈骨、尺骨という腕の部分のゆがみも想定されます。今回は先日スライディングキャッチを試みた際に、地面に左肘を強打した事がわかっていますので、まずは先に述べたことを背景に置きながら実際に起きている肘の痛みを改善するに努めています。

「Tくん、ピッチャーの球を捕る時って、どんな動作が多い?」と聞きましたところ、(キャッチャーですからしゃがんだ姿勢で)左腕を内側にねじ込んでいくような動作で右バッターでいうところのアウトコースのボールを捕る事が多いそうです。

この動きを真似てみますとわかりやすいのですが、やはり股関節や骨盤、腕に負荷がかかるようになることが多いようです。

今回は肘を地面に強打した記憶が鮮明なので、Tくんが肘をぶつけた瞬間を再現して頂きました。その動きをみていきますと、ぶつけたのは腕の骨、橈骨という骨と上腕骨のつなぎめの部分です。

橈骨に絡んで尺骨という骨がありますが、衝撃により尺骨が上方に変異していました。HSTIの基礎テクニックを重んじ、打撲歴を重要視する施術、すなわちこの主訴の尺骨と親指の付け根の部分の変異を整えていくことから始めていきました。

この施術が終わったあと左肘の痛みはなくなり喜んで頂いたのですが、まだ左腕を上げた時には左肩に痛みを感じていました。Tくんから伝えて頂いた「キャッチャーミットをはめた左腕を内側にねじ込んでいくような動作」のことを思い浮かべ、腕のねじれを取り除く施術に入っていきます。この時同時に腕に関係のある肋骨の大きなゆがみも取り除きながら上腕骨との複合施術を施していきました。

この施術の終了後に揺らしを加え、座位で確認した結果、左肩を上げたときの上腕骨の痛みは消えました。
「あっ、消えた、ないっす」。

私:「それでは、立った状態で確認してみましょう」。
「あぁ・・まだ痛みますね」と残念そう。

しかし、施術前にキャッチャーとしての姿勢のことをイメージさせて頂き、ずっと頭に描きながらこの施術を進めて参りました。キャッチャーは練習の時にも、試合の時にも立ったり、座ったり、大声を出して指示を出したり、野球選手としては激務に値するポジションです。そういうことを念頭に置いた施術プランとして骨盤と大腿骨の施術まで行うことを始めから組ませて頂いておりました。

上記のような考えのもと、骨盤、大腿骨頭の施術をしていきまして、仙骨術後に立位で確認しましたところ、
「おぉ?、ない、大丈夫です、痛くないですぅ(笑)」という今日一番の笑顔を頂きました。

私も小学生時代にプロ野球選手にあこがれて、毎日野球漬けの日々でした。キャッチャーを経験したこともあり、Tくんのようにスポーツに打ち込む学生さんたちが身体の痛みで悩んでいるのをみると、けして他人事とは思えなくなるんですね。もちろん施術に私情は挟まず飽くまでもクールにゆがみを読んでいきますのでご心配なく!骨を調整して、潜在しているお客様の能力をどんどん引き出して行くことができれば幸いです。


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