その他の症例 痛みは体が発するSOSのメッセージ 大切に受け止めてほしい

私たち骨格調整士のもとには毎日さまざまな症状を訴えてお客様が来所されます。時々症状はないけれども骨格を整えたいということで来所される方々がおられます。この方々には痛みというメッセージがありません。これは健康状態が良好という場合もございますが、逆に体をみていくとたくさん歪みを抱えているにも関わらず不調を感じないという場合があります。
そんな歪んでいるのに症状を発していないということについて触れたいと思います。あるお客様が、「昨日までこの何十年も何の痛みもなかった。でも今日から体中が痛くてどうしようもありません」という方がお見えになりました。

この方が訴える症状に対応するありとあらゆる部分を調整していっても、痛みは日に日にひどくなるばかり。「足全体がひどく痛くて涙がでるくらいだ、いっそのこと脚を切り落としたいくらいだ」とおっしゃっていたことを今でも鮮明に覚えています。

私の必死の施術も実らず、このかたは一ヶ月後にお亡くなりになりました。病院に行っても異常なしと言われて来所されていたのですが、実は膵臓ガンにおかされていたのです。数回の診察の結果、精密検査により発覚したそうですが、この60代男性の方は私のところに来る前の日まで何の痛みも感じていなかったのです。

これは私の実感するところ、身体の歪みがたくさんあればあるほど、脳が身体から痛みを取り除くように麻酔を出していると考えます。

別の例もあげておきます。私の知人の母親が、私が骨格調整士をしていると聞き、一度体験してみようということで来所されたことがあります。

その方も60代でした。お体の歪みを読んでいくと明らかに健康状態が良好であるとは言いがたい歪み具合でした。私が予備校時代にお世話になった方だったので「おばさん、身体はとても歪んでいますよ、どこも痛くないんですか?まるで麻酔で麻痺しているような状態ですよ」。

「私はどこも痛くないわよ、麻痺しているならその方がいいわ。その方が楽でいいじゃない」とおっしゃっていたのです。その後その方は施術には来てもらえませんでした。しかし、約半年後この方も肺がんと診断され、それから一年後にはお亡くなりになられました。

予備校時代の辛い時期に支えてくれた方でしたので、無理にでも連れ出したい気持ちを行動にうつせずにいた自分に今でも歯痒さを感じます。

このお二人の例から私がお伝えしたい事は、身体に痛みがあるということは、身体がSOS信号を発しているということです。
痛みがないからといってほおっておいて欲しくないということです。

先日、私の知人CさんがPMSの症状で来所されました。その他にはこれといって症状はありませんでした。歪みに準じて骨盤まわりや頭部の施術をしていきました。その日は今までできなかった姿勢ができるようになったという事で喜びのメッセージが届きました。

しかし、夜になり、身体に変化がでてきたそうです。「背中が筋肉痛のようなだるさ、今までなかった耳鳴りがでていて眠れないの、どうしたらいい?」とのメッセージ。私はこう答えました。

「今まで生理前にしか症状はなかったようだけど、あなたの身体をみての感想は、幼い頃の頭部の打撲歴からみてその他に症状が出ていてもおかしくないほどです。ですから、今施術を行っていった結果、身体があなたの体の痛みを認識できるようになったのだと思います」。

加えて、「今日動かした骨々が、体中の骨全体と呼応するようにバランスをとり始めている状態です。体に感じている筋肉痛のようなだるさはそこからきているので、明日まで様子をみてもらえますか?」と伝えました。

翌朝、メールを送りましたら、「耳鳴りで起きたの、体もまだだるいから今日は仕事つらそうだわ」との返信がきました。その日の空き時間に彼女の仕事場へ行き、少し説明をさせて頂き職場にもどり、仕事をしていましたら夕方メールが届きました。

「一度寝たら、体がすっきりしていてどこまでも走っていけそうなくらい体が軽いわ。昨日はびっくりさせてごめんね、もう大丈夫よ、耳鳴りはまだあるけど、私の歪みってそんなにるの?」と・・・

今では彼女は私を信頼してくれ、耳鳴りやPMSを改善させる旨の施術を進めています。彼女もやはり、今まで体が自分の症状を認識できない状態にあったのだと考えます。このように骨格調整を受けた後に体がだるくなり、翌々日に施術以前より体が軽くなった事例はたくさんございます。

ですから、体に症状がないからといって安心してはいけないと感じています。Cさんも今では自分の耳鳴りの症状があることを体からのメッセージだと捉えて施術に向き合っています。今回のブログ少し長くなりましたが、このようなケースにあてはまる方々のお役にたてればと思いながら綴らせて頂きました。

ありがとうございました。

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