手術を勧めていたお医者さんに『肩の調子が思ったよりもいいからこのまま骨折した箇所がつくかもしれないよ。』と言われてびっくりしました!

昨年の秋に自転車で転倒し右肩を骨折したIさん、埼玉県蓮田市在住の80代女性。娘さんに付き添われて来所されました。

「秋に自転車で転んで右肩を骨折してしまったのですが『骨折した箇所がうまくついていない、このままでは腕が水平よりも上に上がらなくなるから手術した方がいいですよ』とお医者様で言われました。でも手術は嫌...。
そんな時にいつも行っている歯医者さんの歯科衛生士さんにAZU骨格調整所を紹介されたんです。このような状態でもみていただく事は可能でしょうか?」

「わかりました。早速みていきましょう。」

Iさんのお身体を拝見すると肩が左右で前後にねじれており、肩や骨盤も高さが左右で違う状態でした。また肩幅が左右で異なり、左肩の方が狭い状態です。

Iさんのチェックシート(問診票のようなもの)で打撲歴を確認すると、右肩の骨折だけではなく数年前には自転車で左にも転倒して左大腿骨を骨折されて手術を受けています。他にも階段で転んで肋骨にひびが入ったり...と、強い衝撃の打撲歴がたくさんありました。

「ずいぶんと打撲歴も多いですし、80年生きれば80年分の歪みです。時間はかかるかもしれませんが、コツコツと一つずつ歪みを取り除いて行きましょうね。今はどこが一番辛いですか?」

「右腕(上腕骨)と右の肋骨が痛いんです。右腕は力も入らずに手をついたりする事も出来ません。」

右手に力が入らないため、身体を動かしたりベッドにうつぶせになっていただくのも大変でした。またうつ伏せの姿勢がしっくりこないのか、顔を横にむけないとうつ伏せが出来ない状態でした。Iさんの身体に負担をかけないよう、焦らずじっくりと施術を進めて行きます。

Iさんが痛みを訴えているのは腕と肋骨ですが、身体は全身でバランスをとった上で症状を出していますから全身の骨格の歪みをチェック。症状を出している原因箇所を探します。その結果、頭部の骨格から整えた方がいい状態と判断し、側頭骨の調整から始めていきました。

そして肋骨の歪み、骨盤の歪み、大腿骨や上腕骨のねじれなどを全身のバランスが取れるようにHSTI専用の器械でじんわりと骨を押して正しい位置に動かして行きました。


初回終了後。
「どうですか?」

「うーん。なんだかよくわからないね。」

「そうですか。今日のところはこれで様子をみましょう。次回また痛みの状態等を確認したうえで調整していきましょうね。何か聞いておきたい事等ありますか?」

「はい。病院で手術を勧められたんだけど嫌って断ったら、リハビリでどうにかするしかないねって言われました。リハビリはしても大丈夫でしょうか?」

「私はお医者さんではありませんから、骨格調整という観点から見たアドバイスしかできませんが...。同じリハビリをするのでも今の骨が歪んでいる状態でするよりも、骨格がある程度きれいに整ってからリハビリに臨んだ方がいい結果につながると私は思いますよ。」

「確かにそうですね。骨が歪んだ状態でやるよりもきれいになってからの方が良さそうですよね。リハビリはもう少し骨が整ってからにしようと思います。」


その後、3回の施術を終了した時点ではご本人の自覚症状に変化はなし。「症状にはまだ変化がないけれど、確実に骨格は整って来ていますよ。」とお伝えするも、この時は親子共に笑顔も減り「本当によくなるのかしら?」と不安そうな表情もみてとれました。その後、整形外科の受診も控えていたので、お医者様の診断結果を次回教えていただく事にしました。

4回目来所時。
「まだ痛みや症状は変わらないのですが、お医者さんに行ったらレントゲンを撮ってくれて『あれ?肩の調子が思ったよりもいいからこのまま骨折した箇所がつくかもしれないよ。』と言われたんです。びっくりしました!」

「わー!よかったじゃないですか!本当によかったー。安心しました。」

「それでリハビリという程でもないのですが、右腕をダランと下げた状態で腕を回す動きを少し始めました。」

「わかりました。骨格も最初より整って来ていますからこの調子で調整も頑張りましょうね!」

「はい、お願いします。」

Iさん親子に笑顔が戻った嬉しい瞬間。そしてまた骨格の歪みを確認して4回目の調整に入ります。

「Iさんの身体は最初に比べると整っていますが、今一番気になるのは両腕の歪みです。自転車で左右両方に転倒されている影響かもしれません。右腕が内側に巻いていて、左腕が外に開いていますね。」

娘さんにもみていただき確認してもらいます。

「一緒に腕を動かしてみていただきたいのですが、腕を内側に巻いた状態で腕を上げようとすると水平より上には上がりませんよね?」

はい。あ、ほんとだ。上がらないですね。」

「この腕の向きをなおしていくことで腕も上がりやすくなると考えています。ですから腕の歪みをもっとキレイに整えていきましょうね。」

右腕は外に開くように、左腕は内に戻すように、両腕と肩周りの骨を器械を数台使って複合セット。

「とっても気持ちいいです。」とIさんはスヤスヤ寝てしまわれました。

3回目まではうつぶせの姿勢も落ち着かず、顔を横にむけないとうつ伏せができなかったIさんですが、今はまっすぐ下を向いて寝られるようになりました。


4回目終了後も腕の痛みはとれていません。まだ自覚症状としては変化が無いということですが、病院で「肩の調子が思ったよりもいいからこのまま骨折した箇所がつくかもしれないと言われた」というのは大きな前進ですし、Iさんにも希望の光が見えて来たようです。

遠くから毎回タクシーで来てくださるIさん、早く楽になっていただけるよう私も精一杯がんばりますよ。
これからもご一緒にがんばりましょうね。



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